「自分らしく」「いきいき」とした生活を続けていくためには、心身の健康を維持することが大切です。そして、そのためには日頃から継続して行う「口腔ケア」が欠かせません。歯の不具合や口腔内環境の悪化が招く様々なトラブルは、特に高齢者の場合、毎日のうがいや歯みがきに加えてきめ細やかなケアが必要になります。

ニチイホームでは本社に配置した歯科衛生士が定期的にホームを巡り、介護スタッフに口腔ケアの指導などを行っているほか、本社とホームをオンラインで繋いだリモート研修も行っています。お客様の日常をサポートする介護スタッフが正しい知識と適切な方法を知り、お客様に対してきめ細やかなケアを積極的に取り組むことが必要です。

介護スタッフには正しいケアができるよう、お客様の日々の暮らしとお口の健康の関わりを具体的に伝えるよう意識し、実技指導では「なぜ」そうするのかという根拠も伝えるようにしています。もちろん、お客様の状態によっては、私自身が実際にケアを行いながら介護スタッフに指導することもあります。あるお客様の場合は、お口からのお食事をされない方のため口腔内の乾燥が著しく、汚れもたくさん付着していました。お口の周りや唾液腺のマッサージ、口腔内の清掃、保湿剤による保湿などをスタッフと協力し、継続して数回行ったところ、普段は喋ることがないというお客様から「ありがとう」というお言葉をいただきました。当初の状態からは想像できななかっただけに非常にうれしく思いました。
今後は、ニチイホーム杉並松庵など数ホームで行っている口腔ケアの取り組みを全ホームに広げ、お客様の口腔健康を維持できる体制を整えていく予定です。