介護施設の基礎知識
介護サービスには、高齢者の介護状態に合わせて、自宅で受けられるものから、介護施設に入居するものまで、様々な形態があります。それぞれ特徴が異なり、初めて検討する場合は迷われる方も多いかと思います。ここでは介護施設を中心とした、様々な介護サービスの特長を分かりやすく解説します。
訪問介護 | 住みなれた自宅にいながらにして受けられる介護サービスです。ホームヘルパーが自宅に訪問し、食事や排泄等のサポートを行います。サービスの内容は、ケアプランと呼ばれる介護サービスの計画書に基づいて決められます。 しかし、ホームヘルパーは常に自宅にいるわけではありませんので、家族による介護も必要となります。また、医療依存度や介護度が重度化した場合は自宅での対応が困難な場合があります。 |
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通所介護 | 日中に日帰りで、入浴・食事・レクリエーション等のサービスが受けられるセンターへ通う形式の介護サービスです。「デイサービス」とも呼ばれています。 日中は、家族による介護の負担を軽減することができます。 |
特別養護老人ホーム | 社会福祉法人や地方公共団体が運営母体となっている公的な介護施設で、「特養(とくよう)」とも呼ばれています。自宅での介護が困難で介護度が重い人から優先的に入居となり、介護に関わる家族の負担を大幅に軽減することができます。入居条件は原則として要介護3以上となっています。 また、利用料が低額であるため入居待機者も多く、厚生労働省の発表では、全国で約36万人が入居待ちの状態となっています(2016年時点)。 |
老人保健施設 | 入院治療は不要ながら、自宅での生活が困難な要介護者が、在宅復帰を目指すための施設です。「老健(ろうけん)」とも呼ばれています。 医学的管理下における介護や機能訓練が受けられます。 あくまでも在宅復帰を目的としているため、原則長期利用はできません。 |
グループホーム | 認知症と診断された人が、少人数で共同生活をするための施設です。 入居者の能力に応じて家事などを分担し、自立した生活をおくります。医療依存度や介護度が重度化した場合は退去となる場合があります。 |
有料老人ホーム ※1 |
民間事業者(株式会社や医療法人など)が運営する、高齢者のための介護施設を「有料老人ホーム」といい、その中でも行政から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設を「介護付有料老人ホーム」といいます。食事・入浴・排泄などの介護サービスが受けられる他、レクリエーションや設備面などのサービスも充実しています。 介護に関わる家族の負担を大幅に軽減することができます。 「介護付有料老人ホーム」の入居条件は、自立または要支援1から入居可能な「混合型」と、要介護1以上限定の「介護専用型」があり、受け入れの幅が広いため、特別養護老人ホームよりも比較的速やかに入居することができます。 |
サービス付き高齢者向け住宅 ※2 |
居室の広さや設備と、バリアフリー構造に関して明確な基準が設けられており、安否確認と生活相談サービスが義務付けられています。 介護が必要な場合は、訪問介護などの介護サービスを利用することになります。医療依存度や介護度が重度化した場合は退去となる場合があります。 |
- ※1ニチイホームは「介護付有料老人ホーム(混合型)」です。(ニチイホーム渋谷本町のみ「サービス付き高齢者向け住宅(一般型特定施設入居者生活介護)」)
- ※2アイリスガーデンは「サービス付き高齢者向け住宅」です。
介護施設の選び方
どんな介護が必要なのか、介護に関わる家族の負担、どんな生活をしたいのか、いつまで利用するのか、によって、最適な介護サービス・介護施設は変わってきますので、よく見極める必要があります。
また、各市区町村には「地域包括支援センター」という、高齢者の相談窓口がありますので、判断に困ったら利用してみるのもよいかもしれません。